はじめまして。
ちょこなすといいます。
私の息子は3歳半の時に“ごく軽度だけど自閉症”と診断されています。
そんな私が身をもって感じていること。
それは、早期療育の重要性です。
私も息子の発達のゆっくりさに気付いたものの、なにから手をつけていいか分からず右往左往しました。
『1日でも早く療育を始めたい』と思っていましたが、療育スタートするまで約1年かかり遠回りした経験をしました。
遠回りする事が一概に良くないというわけではありません。
しかし、早期療育に繋がることは保護者自身の不安・負担を軽減することにも繋がると実感しています。
この記事では、できるだけ『最短距離で療育へ繋がる方法』と『遠回りした私の体験談』をご紹介します。
お子さんの発達に心配事がある方の参考になればといいな思います。
療育に繋がるための近道
お子さんの困りごとを保護者がいち早く発見し、理解、そして支援に結び付けていくことで子どもも家族も楽に暮らすことができます。
一方、境界型、グレーゾーンといわれるお子さんは、健診時のスクリーニングでは見逃されがちで、必要な支援に繋がりにくい現状があります。
私の息子も乳幼児健診で見逃され、早期療育を希望して公的機関に相談するも様子見とされました。
発達に心配のあるお子さんと保護者の方が、私のように遠回りしたり不必要に傷ついたりせず、良き支援者に繋がれますように。
- 子どもの発達のゆっくりさを疑ったら、まず、いつも行っているかかりつけの小児科へ行き相談する。
- 病院にかかるのに抵抗がある場合は、お住いの地域の公的機関へ相談する。
- 心が折れそうになるけれど、誰かに(どこかに)相談して、あなたの心を守ろう。 👈一番大切!
結論から書きましたが、詳しく解説していきます。
まずは医療機関に相談しよう
お子さんの発達に心配事がある場合、できれば4~5歳くらいまでに医療機関で診察を受けることをおすすめします。
発達障がいの可能性を考慮して医療機関を訪ねる場合、できれば「子どものこころの相談医」「児童精神科」「発達外来」「小児神経科」と掲示してある医療機関へ行きましょう。
お子さんの年齢によっては大学病院や総合病院の小児科に設置されている「思春期外来」でも良いです。
そこから療育施設を紹介してもらうのがおそらく一番早いです。
問題がないと判断された場合は安心できますし、仮に問題があると判断されたとしても、就学前に集団生活になじむための練習をしたり、学習に必要な基礎的能力について対策をとっておくことができるというメリットがあります。
医師の見立てがあると、福祉や教育現場でなにかとスムーズに話が進むことを実感しています。
発達障がいを専門に扱う医療機関はまだ多くはありませんが、発達障害者支援法の施行により年々増加しています。
どこを受診すればいいかわからないときは、インターネットを利用して近隣の医療機関の情報収集をしたり、地域の保健所や保健センター、児童相談所、かかりつけの小児科医、発達障害者支援センター、スクールカウンセラーなどに相談すると紹介してもらうことができます。
診断がつかなかったとしても、医師の判断により療育が必要となれば、「受給者証」を発行してもらえるので、自治体の助成を受けて療育に通所できます。
確定診断をつけてもらおうと気負わず、気になることや不安に思っていることを相談してみるくらいのつもりで臨むことが大切です。
公的機関を活用する
医療機関にかかるのに抵抗のある方もいらっしゃると思います。
そういった場合は、「発達支援センター」や「保健センター」、「障害児相談支援事業所」へ相談しましょう。
医師の診断がなくても利用可能な支援や福祉サービスはあります。
お子さんの日々の様子を見ていて、「何か変だな」と思ったら、できるだけ早く子どもの発達に関して相談できる公的な窓口や支援機関などに相談しましょう。
地域によって微妙に名称は異なりますが、相談できる公的機関は下記をご参考ください。
- 保健所・保健センター:子どもの発達の相談にのってくれる。乳幼児期だけでなく学童期でも相談できる。
- 発達障害者支援センター:発達障害者(児)への支援を総合的に行う専門機関。
- 児童相談所:各市町村に設置されており、18歳未満の子どもの関する様々な相談に応じる機関。
- 精神保健福祉センター:各都道府県に1つ以上設置されており、心の健康相談(引きこもりや精神障害)の窓口。
- 大学の研究室に併設された総合相談センター:発達障害に関する相談窓口を持っている大学もある。
また、小学校入学後なら、特別支援教育コーディネーターの役割を担う先生に相談してみましょう。教育委員会と相談して、医療機関や福祉機関、専門家の紹介や調整などを行ってくれるので、積極的に活用しましょう。
子どもの発達の遅れを受容するということ
親であれば誰だって、子どもの健やかな成長を願うのは当たり前のことです。
障がいを告知された段階では、親はショックを受け、混乱し、否定したくなります。
理屈としてはわかっていても、納得するまである程度時間が必要になります。
お子さんの発達の遅れを受け入れるまでには、様々な過程や段階を辿っていきます。
障がい受容のプロセスとして、フィンクの「段階理論」があります。
フィンク(アメリカの心理学者)は、障害受容のプロセスを「衝撃(ショック)」⇒「防衛的退行」⇒「承認」⇒「適応」という4段階で表しています。
- ショック:強い不安から混乱状態になり、無気力状態に陥る段階。
- 防御的退行:現実逃避、怒りや非難、権威の誇示などで自己を守る時期。自分自身の状況を否認したり、反対に願望のような回復に対する期待を持つ段階。
- 承認:逃避しきれずに現実に直面する時期。不安や焦燥感がなど色々な葛藤がありながらも、少しずつ自分自身の状況を理解していく段階
- 適応:新しい価値観を見出し、現在の自分自身を受け入れる段階
必ずしも上記の理論のように障害受容が進むわけではなく、一人ひとり受容の進み方は異なります。段階を行ったり来たりしたり、また、人生の最後まで障害受容が難しいこともあります。
受容するのに時間がかかるのは当然のことです。私もそうでした。
療育では、保護者自身も援助されるべき存在であるとされています。
早期発見に続く早期療育は、特別なニーズを持つ障害児の育児に困惑し、不安を抱える家族にとって不安の軽減と育児の指針を得る契機となりえます。
私は療育に繋がって、精神的に楽になったと実感しています。
時間がかかっても大丈夫なので、あなた自身の心身を守るためにも、療育に繋がることを諦めないで欲しいなと思います。
療育に繋がるまで~我が家の場合~
ここからは療育開始まで1年かかった私の体験談を正直にご紹介します。
私はまず『保健センター』で発達相談をしましたがらちが明かず(苦笑)、『発達外来』へ相談しにいきました。
言葉が遅いことに気付く
息子が2歳8か月頃、同じ月齢の保育園のお友達が言葉をスラスラ・ハッキリと話しているのを見て衝撃を受けました。
その頃の息子は、発語もあり、2語文も出ていましたが、発音が不明瞭で、母親である私以外ほとんど聞き取れず、通訳が必要な状況でした。
「なにかがおかしい。」 その時の衝撃は今でもハッキリ覚えています。
地域の保健センターへ行く
「なにかがおかしい」そう感じてからしばらくしても、「まさかそんなはずない」と、すぐには行動に移せずにいました。
でも日に日に不安は大きくなっていき、深夜にスマホで検索する日々が続きました…。
2ヵ月程そんな日々を過ごしたのち、意を決して保健センターに電話をします。電話するだけでも、勇気と気合いがいりました。
電話で心配事を伝えましたが、「言葉が出ているなら問題ありませんよ。」と言われました。“言葉は話すが不明瞭なんです”と伝えても理解を得られませんでした。
その後、3歳児健診時の二次健診を希望し、3歳1ヵ月、保健センターで初めてK式検査を受けました。
結果、発達の遅れがおよそ6ヵ月あり凸凹。
3か月おきにフォローアップしてもらうこととなりました。
心理士さんからは「テレビは見せずに目と目を合わせて会話するように」などなど…
当たり障りない、もうすでに実行済みのアドバイスのような言葉を掛けられるのみでした。
「なんでもかんでも発達障害にされちゃあ困る!」とも言われました。
”テレビばかり見せているダメな母親”“子どもと遊んであげていないダメな母親”というレッテルを貼られたような気持ちになり、どんどん追いつめられていきました。
別室では保健師さんに早期療育を受けたいことを伝えましたが、「市の教室の対象ではない」と言われました。
それなら“民間の療育機関の情報があれば欲しい”と保健師さんに言いましたが、「そういうのはやってない」と言われ、「お母さん頑張ってるね。そんなに心配しなくて大丈夫。無理しないで。」と。
私の相談力にも問題があったのかもしれませんが…
公的機関で早期療育に繋がりたいと申し出ても、情報提供もなく的外れなアドバイス、気休めにもならない言葉を受け、私は絶望しました。
乳幼児健診ではひっかからない。でもなにかがおかしい。
そんな、私の息子のような子どもは日常生活に困難さがあっても見逃されがちなのかもしれません。
“支援を求めているのに、だれも理解してくれない”。とにかく絶望したのを覚えています…。
もう一歩親子に寄り添い、なにが心配なのかをくみ取り、利用できる支援はないか、医療機関や相談機関はないか、情報提供して欲しかったです。
病院で発達専門医にかかる
保健センターに相談するも何の支援にも繋げてもらず絶望した私は、次に”専門医に診てもらおう”と思い、発達外来を予約をしました。
前述の保健センターでの発達相談も病院の初診も、3ヵ月~6ヵ月以上待ちでした。
その待機期間も本当に辛かったです。
早期療育が重要であることは理解していて、『1日でも早く療育を始めたい』のに待つことしかできない。正直、家庭療育をする気力もない。
とにかく毎日心が折れそうだったのは覚えているのですが、どう過ごしていたのか、あの頃の記憶があまりありません。
そしていよいよ、待ちに待った初診日。
その日は夫にも同席してもらいました。
医師には「ごく軽度だけど、自閉症スペクトラムだと思います。今すぐ療育を受けるべきだと思います。」と言われました。
まだ心のどこかで、”お母さんの考えすぎですよ。心配ありませんよ。”と言ってもらえることを期待していた自分に気付きました。
辛い現実を受容するのはまだまだ先でした。
でも、やっと理解してくれる人に出会え、やっと療育に繋がれるんだ!と気持ちが少し楽になったのも事実です。
地域発達支援センターへ行く
医師の診断を受けてからは色々と話が早く進みました。
医師のアドバイスどおり、地域の発達支援センターへ電話し、”医師に診断を受けたので療育をさせたい”と伝えました。
やはり市がやっている療育教室の対象ではないとのことでしたが、障がい児相談支援事業所を紹介してもらい、療育施設を利用するために必要な「受給者証」を交付してもらいました。
受給者証とは…
療育等のサービスを利用するために市町村から交付される証明書です。世帯所得によりますが、ほとんどの利用者が利用料の1割負担でサービスが受けられます。
また、障がい児相談支援事業所の方は、民間療育機関の情報を教えてくれたり、
家庭訪問もしてくれて、話を聴いてくれたり、個別支援計画を立案してくれました。
その頃には自分でもいくつかを療育施設をピックアップしていたので、数か所見学させてもらい、翌月には通所できることになりました。
↓「受給者証」「相談支援」についてもっと詳しく知りたい方はこちらもご参照ください。
児童発達支援(療育)へ相談・見学へ行く
保健センターの心理師、保健師の対応に絶望したのを引きずっていた私は、療育の先生に会うのもとても緊張しました。
けれども、療育の支援者は皆、子どもの発達に関して十分な知識と行動力をもたれた方ばかりでした。
「さっそく療育をスタートしましょう!」との言葉がすごくうれしかったです。
長~く暗~いトンネルからようやく脱出できた。そんな気持ちでした。
療育は息子もとっても楽しんでいましたし、私も関わり方を学んだり、相談もできたりと、私達親子にとって、必要な場でした。
最後に
我々親子に限らず、お子さんの発達の遅れに気付いたあとは、保護者のみなさんそれぞれに、きっと簡単には言葉にできないような、いくつもの辛い経験をされてきたかと思います。
保護者は、受容もままならないまま、子どもの一番の理解者となり、行動しないといけなくなります。それは本当に辛い事です。
保健センターで理解も情報も得られず心折れかけた時、それでも諦めずに他の相談場所(私の場合は発達外来)を探して行動して良かったと思います。
お住いの地域によって差はあると思いますが、今は相談機関や民間療育施設も少しは調べやすくなっていますし、私のように遠回りをせずとも、早期療育に繋がりやすくなっているかもしれません。
早期療育の重要性は発達界隈では常識なのに、自分から情報収集していかないと支援に繋がりにくい状況はどうにかならないのかと、残念に思います。
子育てや仕事をしながら情報収集して、小さい子どもを連れて保健センターやこども支援センターや市役所…と色々出向かないといけないのは、本当に大変ですよね…。
どうか、できるだけスムーズに、親子にとってよりよい相談先・療育先に出会えますように。私の体験談が一助になれれば幸いです。
最後まで読んで下さりありがとうございます!
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