子育て

【療育とは】療育利用中ママが解説!

お子さんの発達が気になっている保護者の方々の中には、『療育』という言葉を知って間もない方もおられると思います。

私も当時2歳後半だった息子の発達がゆっくりだなと気付き始めた時に初めて知りました。

その後、子どもの障がいを受容し『1日でも早く療育に繋がりたい』と思えるようになるまでには様々な葛藤があり、時間がかかりました。

まずは療育の定義早期療育のメリットについて知っていくことから始めてみましょう。

読者の方
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早期療育が重要って聞いたけど療育ってなに?
読者の方
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診断されてないけど療育って受けられる?費用も気になる

今回はこれまで約5年、4か所の療育機関に通ってきたちょこなすが、療育の定義・早期療育のメリット・費用・対象者などの疑問に答えていきます!

療育(発達支援)とは

そもそも療育とは?療育の定義

療育の定義については、

  • 『厚生労働省』のものと、
  • 「子どもへのまなざし」「育てにくい子と感じたときに読む本」等の著者で児童精神科医の佐々木正美氏の本に書かれていたものの

2つを下記に引用しますので、ご参考ください。

児童発達支援(療育)は、障がいのある子どもに対し、身体的・精神的機能の適切な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助である。

厚生労働省「児童発達支援ガイドライン」

療育とは「治療教育」の略。個々の子どもが持つ力を伸ばしながら、できることを一つ一つ増やし、その子なりのレベルで自立して生きていけるようにサポートする方法です。療育は、障碍自体を治療するものではありません。また、音声言語を持たない子どもが、療育を受ければ流暢に話せるようになるということでもありません。さらにまた、短期間で自立した生活ができるようになる訳でもありません。しかし、適切根ステップで療育を進めることで子どもは確実に成長します。その成長スピードは一般的な目から見ればゆっくりかもしれませんが、子どもなりに一生懸命に学び、成長していくのです。それとともに家族の考え方も変わり、希望と喜びを持ちながら子育てに取り組めるようになるでしょう。

じょうずなつきあい方がわかる自閉症の本 監修:児童精神科医 佐々木正美

障がいのある子やその可能性のある子への支援はもちろんのこと、子どもに関して悩んでいる親の発達相談に応じることも支援の一つであることはご存知でしょうか。

実際に、息子のこれまでの経過や特性を知ってくれている療育の支援員さんに相談できるという安心感は、私の心の支えになっています

ちょこなす

家族としてお子さんをサポートしていく上で、家族支援はとても大切な部分だと感じています。

家族支援も重要と捉えて支援してくれる事業所・スタッフに出会えたら心強いですね!

保育・教育との違い

保育や教育では、その時期に教えなければならないカリキュラムがあり、それを学ばせる為にどうしたらいいのか考えていく一方、

療育は、その子に合ったオーダーメイドのカリキュラムを考え、育ちを援助する場となっています。

療育のゴール

療育のゴールは、子ども一人ひとりが「自分のできることを自分でやって自立していく」ことです。

訓練や指導をして、できないことを無理やりやらせることではありません

子どもの発達の状態や特性に合わせて、子どもができるところを見つけながら、家族の関わりや、周りの関わりを調整していき、子どもが健やかに成長していく基盤を作るのが目的です。

同じ時間、同じ年齢でも、取り組む内容は一人ひとり違います。その子に合わせた目標を設定し、それに合わせた支援が行われます。

療育の対象者は?診断がなくても受けられる?

療育は基本的に18歳以下の児童を対象としています。

身体障がい、知的障がい、精神障がい(発達障がい含む)の3つの障がいのうち、いずれかに該当する児童が療育の対象となります。

診断がなくても療育は受けられる!

医療機関で診断を受けないと療育を受けられないと思っている保護者の方もおられるのではないでしょうか?

医療機関ではっきりとした発達障がいの診断を受けていなかったり、いわゆる「手帳」を持っていないお子さんも、療育を受けることができます。

自費の療育は勿論ですが、療育を行う必要が認められる場合は診断がなくても「受給者証」が発行され、自治体の助成を受けながら療育に通うことができます

まずは、各自治体の保健センターや発達支援センター等の窓口に問合せて、「発達に心配事があって療育に通いたいので、受給者証の発行をお願いしたい」旨を伝えてみましょう。

療育にかかる費用は?

我が子のためですので、『費用がかかっても良質な療育を受けさせたい』と思う保護者の方も多いと思います。

とはいえ、『オーダーメイドのカリキュラムをうけるんだから費用も結構かかりそう…』と金銭的に不安な思いを抱いておられる保護者も多いと思います。

『自治体の助成を受けて療育に通う場合』と『自費の療育の場合』、費用はいくらかかるのか解説します!

受給者証を利用する民間療育の場合


一般的には下記の通りですが、自治体によって異なる場合がありますので、詳しくはお住いの自治体に確認することをおすすめします

児童福祉法に定められた料金の1割を支払うこととなります。

また、所得により異なった負担額の上限が設定されています。

  • 生活保護世帯、非課税世帯については無償
  • 一般的な世帯所得(世帯所得が890万円まで)の場合、負担額の上限は4,600円/月
  • 世帯所得が890万円以上の場合、負担額の上限は37,000円/月

そして、2019年10月~、満3歳になって初めての4月から、就学までの3年間は利用負担が無償化されました。

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幼児期の療育を無償で受けれるのはありがたいですよね!

ただ、世帯所得によって負担額が跳ね上がるのは、ただでさえお金がかかる障がい児育児をしている家庭にとって厳しいものがあります。

学童期以降の障がい児に必要な場となる放デイも、利用するのもためらってしまいますね。

結果、子どもや保護者の負担が大きくなっている現状があるのは、問題提起したいところだと感じています。

自費の民間療育の場合

5,000円~80,000/月と、事業所によりかなり幅が大きいようです。

さらに入会金、施設利用料、教材費が必要な場合があります。

早期療育のメリット

早い時期から子どもの特徴を理解し、ニーズに合った適切な支援に繋げていくことが、子どもの発達や将来の社会生活のためにはとても重要といわれています。

早期療育のメリットを下記にまとめました!

  • 子どもの脳の成長が活発な幼児期に発達支援ができる
  • 早めに子どもの特性が正しく把握でき、子どもへのかかわり方が分かる
  • 子どもが人生の早い時期から不必要な心理的ダメージを受けずにすむ
  • 子どもが潜在的に持っている力を引き出しやすくなる
  • 心身の成長が著しい幼児期から適切に対応することで、子どもの生きづらさが軽減され、二次障害を防ぐことができる
  • 特性を知ることで育児の大変さを緩和し、親子関係を良好に保ちやすい
  • 専門家に出会うことで相談がしやすくなり保護者の不安も軽減される
  • 相談できる味方や共感できる仲間ができる
  • 親の心理教育的支援(他の子どもと我が子を比べて気に病むことや、自分の育て方に自信を持てずにいることが長く続くなど、親が慢性的なストレスにさらされるような状態をより早く抜け出し、見通しと意欲を持って育児にあたることができるよう支援すること)の効果を上げやすい

このように、子どもだけでなく保護者にとっても大きなメリットがあります

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私たちは息子が3歳8ヵ月頃から療育に通い始めました。療育機関を“遊びに行くところ”と呼んでいて、どこの事業所でも楽しく取り組んでいました。

性格や特性にもよるところですが、幼かったからこそスムーズに受け入れられたのかなと思っています。そういった点も早期療育のメリットと感じています。

また、子どもだけでなく私自身も専門家に相談できる環境を得られたことで、精神的にとても楽になりました

療育はいつから始めたらいい?

児童発達支援では0~6歳の未就学児が、放課後デイサービスでは小学生~高校生までの児童・生徒が通っています。

早期に取り組むことが大切とされ、多くの保護者が6歳までの療育が重要であると把握されているようです。

おおむね3歳前後から利用が可能となる施設が多いです。それには発達障がいの診断がつきやすい時期が2~3歳が多いということが背景にあります。

中には0歳代から対応可能な施設もありますが、お子さんの病状や体調、ご家族の状況に合わせて、医師とも相談しながら開始時期を検討しましょう。

しかし、お子さんの特性によって“気付き”のタイミングはそれぞれ違います

言葉の遅れがない場合は気付かれにくく、集団生活に入って対人関係の不器用さがはっきりしてきて初めてお子さんの特性に気付く場合もあります。

さらに、就学すると、集団生活も複雑化し、徐々に身の回りのことが本人に任されるようになり、学習への態度や成績も求められるようになったところで困り感がはっきりしてきて気付く場合もあります。

児童期に学業の問題、身辺面の問題、他児との関係や行動・行為の問題、他の精神障がい精神症状の出現などが主訴となり、その背景に発達障がいの特性があることに気付かれる場合もあります。

児童期は幼児期と同じように、青年期・成人期に続く大切な時期です。自尊心や自己肯定感を育みながら、将来を見据えた援助が求められる時期となります。

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子どもの困っていることに気付くことが支援のスタートです。

それぞれのお子さんの困っている姿に『気付いた時』が、療育を始めるのに最適な時期です!

私も時々思ってしまうことがあるのですが、“もっと早く気付いてあげられたら…”と自分を責めるのは得策ではありません。

焦らず、親子のペースで支援に繋がっていきましょう!

最後に

療育に繋がるまでは、一人で悶々と悩み、毎日暗い顔して子ども達に接していただろう私ですが、そんな時間を少しでも減らして子育てできたのは、親子で一緒に療育に通って、私自身も一母親として成長することができたからかな、と思います。

お子さんと保護者の方が少しでも早く支援に繋がれるよう、一助になれればと思っています。

ちょこなす

最後まで読んで下さりありがとうございます!

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