お子さんの発達に心配事のある保護者のみなさんの中には『療育って実際にどんなことしてるんだろう?』と思っている方もおられると思います。
今回は、幼稚園と併用して療育施設4か所に約5年通ってきたちょこなす親子の体験談です。
そして、ちょこなす親子が利用した『保育所等訪問支援』や親子で通うメリット・デメリットについてもお話しします。
ちょこなす親子が受けた療育はどんなこと?効果はあったか?
療育でどんなことをしてきたか?
私たち親子が民間の療育で実際に受けた支援についてお話しします!
- 幼児期(3歳~就学前)は、幼稚園が終わってから週2~3回、
- 1回約1時間の療育に親子で通っていました。
- 主にOT(作業療法)、PT(理学療法)、SST(ソーシャルスキルトレーニング)を、
- 小集団(2~3人)、個別のどちらも受けてきました。
- 幼稚園で『保育所等訪問支援』も受けました。
- 就学後の今は、1つの施設に月1~2回、各1時間の療育に親子で通所中です。
- 事業所で行われる保護者向けの勉強会には通っていました(講義によっては夫にも参加してもらいました)。
ある事業所では1時間ずっと個別で内容はOT・PT・SSTを混ぜ込んで受けたり、他の事業所では前半は集団でPT、後半は個別でOTを受けたりと、事業所によって様々です。
具体的には、
- お箸がうまく使えない
- 食べこぼしが多い
- 折り紙やはさみがうまくできず、園のお制作に時間がかかる
- 体幹が弱く姿勢が崩れがち
- 縄跳びが飛べず寝転んでしまう
- 縄跳びを袋にしまえない
- インナーのシャツをズボンの中にうまく入れられない
- 家族以外の人に自分の気持ちを言えない
- 家族以外にHELP要求できない
など、私が気が付いた息子の困り感や、支援員さんが子どもの様子を把握した上で、各事業所で個別支援計画を立案していただき、それに沿って、身辺自立や苦手なことをスモールステップでクリアできるよう働きかけたり、コミュニケーションなどの社会的スキルを得られるように支援してもらいました。
家族支援としては相談支援の他に、参加はできていないのですが事業所によっては親の会を開催しているところもありました。
毎月保護者勉強会を実施してくれる事業所もありました。
勉強会では、子どもの特性や支援の方法を理解するための講義のほかに、発達っ子の先輩保護者の就学時のお話しや実際に家庭で行っている工夫などを直接聴くことができて大変ためになりました。
就学に関する講義の時には夫にも参加してもらい、夫婦で理解を深め、考えるようにしました。
保育所等訪問支援
実際に私たち親子も、息子が幼稚園・年長の時に「保育所等訪問支援」を利用したことがあります!どんな感じだったかは下記をご覧ください。
このサービスも保護者の方には知っておいてほしいと思っています。
“保育所”とありますが、保育所以外でも利用できます。
保育所等訪問支援とは、保育所、幼稚園、認定こども園、学校、放課後児童クラブなど集団生活を営む施設を訪問し(標準は月2回)、障がいのない子どもとの集団生活への適応のために専門的な支援を行うものです。
具体的には、療育施設の専門スタッフが子どもが通う施設に訪問し、障がい児本人に対する支援や訪問先施設のスタッフに対する支援を指導してくれるサービスです。
☞私たち親子が利用した理由は、お制作がうまくできない・時間内に完成しない、体操の時間にうまく体が動かせないことで夜中にしくしく泣き、登園しぶりがあったことでした。
息子が困っている場面を実際に療育の専門スタッフにみていただき、どんな事で困っているのか、息子が悲しまずに最後までチャレンジするにはどうしたらいいのか、幼稚園の担任と保護者である私に、具体的に示してくださいました。
息子も、幼稚園に“いつも遊んでくれる先生(=療育の専門スタッフ)”が来てくれて、嬉しかったし安心したようで、「今日、幼稚園に○○先生が来たよ~!」と、とても喜んでいました。
担任と保護者の間に入って、支援方法を考えてくれるなんてすごいですよね。相当な知識と経験を持たれた支援者にしか務まらないなと感じました。
ここ数年はコロナ禍で制限がかかっているかもしれませんが、このサービスを利用することで、一貫した関わりを受け、沢山の子ども達の生きづらさの軽減に繋がって欲しいなと思います。
効果について
療育の効果としては、お箸は正しい持ち方ではないけど使える、縄跳びは前飛びができるようになった等、できることは増えました。
また、“これ以上はできない”、“難しいけど、こんなフォローがあればできる”など、息子の特性理解と支援方法の学びを深めることができたことも療育の効果の一つと感じています。
“息子には不得意な事もあるけど、正しい関わりをすればできることを引き出したり増やしたりできるかもしれない。息子が安心して社会に参加できるように、時には合理的配慮をお願いしよう”と、折り合いをつけながら着地点を見出せるようになってきました。
療育を始めて5年経ち、いい意味で肩の力が抜けてきたように思います。
親子で療育に通うメリット・デメリット
お子さんが就学前の場合、親子通所の療育が多いかと思います。
私たち親子が利用した4か所の療育施設のうち、1か所は息子だけ部屋に入り療育を受けて保護者は部屋の外からモニターで療育の様子を見ることができる所でした。他3か所の事業所は親子で通う所でした。(療育の様子をそばで見守っていました!)
親子で通うメリットは、
- 第一に、母子分離や初めての場所・人に不安の強い子どもが安心して療育を受けられること
- また、直接支援の場面を見ることで、子どもの特性を正しく理解する機会になり、接し方のヒントを得ることができること
- 日々の子育ての中での気付きや困りごとをすぐに相談でき安心感を得られること
- 安心感を得ることで、少しだけ子育てに前向きになれたり、もう少し頑張ってみようと思えたり、逆に頑張りすぎずにちょっと休憩しようと思えるようになったこと
親子で通うことにデメリットは、時間に余裕がないとできなかったなと思います。
また、2歳下の娘も連れてだったので、その大変さはありました。
療育施設へのきょうだい児の同伴に関しては当事者のお子さんの状態や施設によると思いますので、療育施設のスタッフの方に相談してみましょう!
ちょこなす親子が通った事業所では、娘の同伴を快く歓迎してくれたので安心して通うことができました。
粗大運動の時間は娘も参加させてもらい、すごく楽しませていただきました。先生方に感謝です!
しかし、あくまでも付き添いですので、下の子がぐずったり、息子の支援の妨げになるような時には退室したり、別のスペースで私と遊んだりといった配慮はもちろんしています!
最後に
療育の様子を見てみると、もしかすると一見、遊んでいるだけに見えるかもしれません。
ですが、息子の体幹を強化するための動きが取り組まれていたり、手先の不器用さにアプローチしたものだったり、母親以外の大人にHELP要求できるような信頼関係の構築や環境を作っていたり、学校の模擬体験のような内容にしてくれていたりと、まさに息子のためのオーダーメイドの支援をしてくださいました。
また、私自身も専門家に相談したりアドバイスをもらえるので、精神的にとても楽になりました。
下の子を連れて、幼稚園のあとに週2,3回、療育に通うのはなかなか大変なことでした。車で往復2時間かけて通っていた事業所もあります。
なぜそんなに通っていたのか。その当時の私は不安が大きく、“息子のため”と言いながら、“自分のため”に通っていたのかもしれないとふと思うときがあります。
そんな私が言うのもなんですが、あまり詰め込み過ぎず、ほどほどに。お子さんや保護者の方のご無理のない範囲で通われることをおすすめします。
不安もありましたが、毎週通うには距離もあり大変だと感じる事業所は後に通所を終了することにしました。
小学生になった現在は、3歳からお世話になっている1つの事業所に月1回通っています。
また、「小学生になったら放デイに通って勉強のサポートも受ける予定」でした。
しかし、いざ学校生活が始まると、小学校での生活と宿題だけで疲れ、放課後に自宅でリラックスしている、そんな息子の姿をみて、“今は必要ないかな”、と利用を見送りました。
次いつ空きがでるか分からないし、待機も結構長かったので迷いましたが、今の息子にとってベターな選択ができているのかなと思っています。今後も息子の様子や家族のバランスによって、柔軟に対応していきたいです。
最後まで読んでいただきありがとうございます!